2023/08/03

RedBull Joyride 2023

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今年も終了しましたREDBULL JOYRIDE。CRANKWORXの中でも目玉種目であるこの種目は、ダウンヒルでもなくエンデューロでもなくスロープスタイル。

 

そうそれは今から20年前、CRANKWORX前身イベントのフリーライドフェスティバルJOYRIDEにて、世界で初めてここウィスラーで開催されたMTBスロープスタイルコンテストからの流れを引き継いでいます。

 

自分はその第1回目から現場で見続けている世界でも数少ないであろうヘンタイなので今年もこの目にしっかりと焼き付けました。

 

今回のポイントは以下。

①コースレイアウト

②コンボ&オポジットトリック

 

この2つですかね。

 

今年はウィスラーMTBパークのメインとなるフィッツシモンズチェアリフトの掛け替え工事のため、全てのバイカーがボトムからアップロードするにはゴンドラのみの利用に制限される少し不思議なシーズンですが、スロープスタイルコース造成スケジュールにも影響があったらしく、工事との兼ね合いで今までの中で1番シンプルなコースレイアウトになりました。

 

毎年最大の見せ場であるラストドロップは廃止されシンプルなダブルでゴール。

 

それでも途中のジャンプはダブルではなくしっかりとヒップになっていて、ラストダブルの前には勢いが乗りにくいテクニカルなダートスパインが配置されると言うレイアウト。

観客と視聴者にとっては少し迫力の足りないフィーチャーだったかもしれませんね。

 

視点を変えてビルダー目線でボーンヤード(スロープスタイルコースとなる斜面)を眺めると、チェアリフト掛け替え工事の関係でズラさなければならなく狭くなったゴール位置とデュアルスラロームやスピード&スタイルのコースも所狭しと配置しなければならなかった事、スケジュールの段取り等、その苦労が手に取るように理解できます。それを考慮すると今年もJOYRIDEディガークルーはグレイトジョブだったと思います。

 

優勝はエミル・ジョハンソン。ゴールした時の盛り上がりは多くはありませんでしたが、トリックを細かく採点していくと間違いなく優勝だと思います。

 

なぜかと言うと、彼は3つのコンボトリックとオポジットトリックを惜しみなく繰り出したからです。

コンボトリックとは2つ以上のトリックを同時又は連続で行う高難易度トリックですが、エミルは3つのトリックを織り交ぜています。そしてオポジットトリックもコンボでそれに入れ込んで来る。

 

オポジットトリックとはスイッチとも呼ばれ通常の効き方向とは逆に回ったり回すトリックで、これまた高難易度なのです。効き方向の逆の動作を行う事は人間とても難しく、それだけ人よりも練習と才能が必要なのです。

右利きのバッターが左で打ったり普段日常で使っている箸を左で使って食べる様なものですね。

イメージで言うとオポは通常の1.5〜2倍近く難しいイメージですかね。

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MTBではありませんが、エミルの様にオリジナリティの高いコンボトリックで成績を収めているライダーと言えば、リムナカムラ。BMXパークで日本が誇る中村輪夢君です。彼はコンボトリックの鬼で、彼しか出来ないコンボトリックを数多く持っていてメダルを重ねています。エミルのオハコであるウィンドシールドワイパーもやりますしね。

今後リム君がオポを沢山やる様になったら無敵感はさらに増すでしょう。

 

て事でエミルがこれだけ連勝記録を作り続けている理由はそこにあるんですね。

他のライダーが見た目の華やかなコーク720やダブルバックフリップを行っても、オポとコンボを駆使しているエミルの得点には到底届かないのです。しかもスーパースムースにやるもんだから難しく見えないって言うね。

 

しかし2位のポール・クーダークと3位のトム・アイステッドのランは非常にアグレッシブでカッコ良かったですね。

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BMXダートのXGAMEメダリストでもあるザイモン・ゴジエックがラストジャンプで惜しくも転倒してしまいましたが、あれが決まっていたら2位は確実だったでしょう。

 

なぜならキャッシュロールバースピン、キャッシュロールテールウィップ、そしてラストにツイスターと言う大技にバースピンを入れる高難易度の鬼コンボを行ったからです。

彼の毎回最後まで攻め攻めのスタイルは共感せざるおえません。そこまでしないとエミルに勝つ事は難しいと言う事を彼は理解しているのです。彼は挑戦者と言う立場なだけに恐れるものは何もないって感じですね。

 

今回は怪我で実況中継に回っていた優勝候補の1人であるニコライ・ロガーキンですが、彼が優勝できないのはオポジットトリックとトリプルコンボが乏しいのが理由。ビックトリックが彼のスタイルで非常にクールなだけにスコアが出にくいのは非常に惜しい。

 

観てる観客や視聴者と実際の順位が毎回異なってしまい炎上するのがジャッジ競技には常に付いて回りますが、こればっかりはしょうがないですね。

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その理由から今年からライダーオブザデイが加わりました。ネット投票と言うやつです。スクリーンで観て誰が1番だったかと言う賞です。賞を獲得したのは地元カナダスコーミッシュのベン・トンプソン。確かに良いランでした。でも地元票が多かった様にも思いますが笑

 

それ以外は今回転倒者も多かったのも残念でした。風と日差しによって3時間スタートが遅れ、時間の関係で各ライダーのランは1本のみに。風の影響とテクニカル(細かい部分での)なコースによりティム・ブリンガーやトーマス・レモインなどの有力選手は転倒に終わってしまいましたね。

 

強風の中でのヒップジャンプはスピンの回転を調整するのが難しく、よりテクニカルになるのです。ラストジャンプ前のダートスパインは曲者でしたね。あそこで勢いが完全に死んでみんなラストジャンプ前にペダリングを余儀なくされました。ダートスパインでトリックをミスったり飛び過ぎたりすると、ラストジャンプの成功率が下がってしまうと言う寂しい感じでした。

 

そこで大クラッシュをして搬送されてしまったトルティアット・テスタ。早く良くなって欲しいです。

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ただそんな条件においてもコンボトリックを面ピタで合わせてくるエミルは今回も圧巻でした。

さらに補足すると彼は珍しくプラクティスで転倒し肩を負傷していてのランでした。その状況であのランはレベチでしたね。

 

しかし予定時間から同じ場所で3時間も待たされた自分も流石にクタクタになりました。文句一つ言わずそんな状況さえも楽しんでいるカナディアン達のハッピーなバイブスには感心しましたよ。

 

また来年ここで生で観てブログを書きたいと思います。て事は今年で20年目のレポートって事ですかね⁉︎

そう考えると自分がスロープスタイルを追いかけて来た年月の長さを感じますね〜。

 

ではでは🤘

 

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2023/05/10

FUSION FLEXI

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最近のヒット商品をご紹介。

 

10数年前にカナダのペンバートンと言う町のシークレットトレイルのビッグドロップでオーバーシュートした際に足を地面に激しく打ち付け、足部の靱帯を断裂した時から左足だけ扁平足になってしまいました。

 

バンクーバーでのオペは成功したのですが、それ依頼長い時間歩いたり走ったりすると足部に疼痛が出る様になり真剣に悩んでいました。これはリスフラン関節症と言う病気で、本来あるべき足底のアーチがなくなってしまうものでスタンディングスポーツを行う上では致命的な病気です。フィギュアスケートの羽生結弦選手も同じ症状で悩んでいましたね。

 

その症状を緩和し改善するためのアイテムが足底板、いわゆるインソールと言うものです。これまで僕は長い間アーチサポートのインソールを愛用する事で対応していました。

 

今回ご紹介するFUSIONFLEXIのインソールをセミオーダーで自分の足型に合わせて作っていただいたのですが、これが本当に調子が良い。

 

このFUSIONFLEXIと言うインソールメーカーの商品は、ありふれた他のインソールメーカーとは一線を画しています。FUSIONFLEXIは老舗義肢装具メーカーが発売していて医療現場のノウハウと元競輪選手が競技キャリアで培ったデータを元に研究に研究を重ねて作られました。

 

自分はフラットペダル派ですが、このインソールを入れるとまるでビンディング用シューズを履いているかの様なフィット感とフィーリングに変化します。

 

土踏まずから踵へのサポートがしっかりしていてピッタリと収まるんです。ペダルに足を乗せてた荷重が掛かっている状態でも、足部の内反外反が共にやり易くターン時に膝を入れたり、直線のテクニカルセクションでガニ股気味にして衝撃をいなす動作も自然と行えます。

 

さらに真っ直ぐ脚を回せるのでペダリング動作もやりやすい。ヒール部分がグラスファイバー素材のカップ構造になっているのがキモだと思います。自分にとって肝心なアーチサポートも十分でこのインソールを使うと、土踏まずを感じる事ができます。

 

こんなにも違いが出るのかとびっくりしました。なかなかインソールをオーダーで作る人って少ないと思いますが、ライディングのパフォーマンスを上げたい方は1度試しに作ってみる事をお勧めします。

 

自分はリスフラン関節症だっだ事で更なるメリットを感じましたが、健康な足の方にもぜひ試してもらいたいです。
ペダルの上でバランスを取る MTB。特にダウンヒルでは手と足の荷重バランスで言うと、その比率は足の方が圧倒的に多いです。ペダルを通してBBに荷重が掛かり、タイヤのグリップを作り出す。的確に欲しいグリップを作り出すためには、足部が大切なんですね。

 

セミオーダーで自分の足形を造るので自分専用のインソールが作れてしまうのです。興味のある方はふじてんで僕を見掛けたらぜひ声を掛けてください。

 

自分は MTBプロライダーですが、柔道整復師と言う整形外科の一端を担った医療従事者の資格を持っています。足関節に関する知識があり足底板に関しても少々知識があるので何かとお力になれるかもしれません。

 

足底板とは面白い物でライディングスキル向上の他にも、骨盤の歪みや膝関節痛、時には肩や首のこりも改善させてくれます。お気軽にお声掛けくださいね。

 

「FUSION FLEXI」
https://www.fusion-flexi.com/c

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2022/10/26

RedBull Rampage 2022終了

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年に一度のビッグマウンテンフリーライドイベントであるRed Bull Rampage が先日終わりましたね。

 

このイベントはFMBシリーズの中でもポイント配点の高いウィスラーのRed Bull JOYRIDEスロープスタイルと並ぶダイヤモンドグレードのイベント。

 

世界の選ばし者だけがスタートを切る事が出来るフリーライダーのトップ中のトップを決定するコンテスト。

 

世界中のプロフリーライダーの誰しもがこのコンテストに出場する事に憧れを持ち日々ライディングを磨いています。

今年もそのナンバーワンが決まりましたね。

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今回のポイントは3つ。

 

(1)シングルクラウンフォーク

 

(2)転倒者ゼロ

 

(3)強風でキャンセルになってしまった2本目

 

なんとなく大きく分けるとこの3つが個人的には見所だったかなと思います。

 

まず1つ目のシングルクラウンフォークに関しては昨年同様にブランドン・セメナックがシングルクラウンフォークを導入。

 

プラクティスでテールウィップやダウンサイドテールウィップを練習していたので昨年同様にハンドルを回すトリックを織り交ぜたランが想像できました。

 

ところがセメナックの1本目ではバースピンとテールウィップのドロップだけに留まり、後はワンフットインバートとフラットスピンナックナックで締めて終了。

 

ダウンサイドテールウィップはプラクティスで失敗していたので1本目ではやらずに、もしかしたら2本目でバックフリップテールウィップと共に追加してやったかもしれませんね。

 

残念だったのはバースピンドロップの後に途中で一瞬映りが悪くなりキャム・マッコールが実況解説で言っていたステップアップでやったであろう、スタイリッシュテーブルが見たかった。

 

それに対して同じくシングルクラウンを導入したかつてのチームメイトのブレッド・リーダーはドロップでのテールウィップをしっかりとメイクし、その他にフラットドロップでのバックフリップキャンキャン、360ドロップ、オポ360ドロップとかなり難易度の高いトリックを良い流れで決めてきました。

 

あの高さでのきっかけのないフラットドロップでのオフアクシスバックフリップキャンキャンは個人的にシビレました。もはや彼のシグネチャームーブですね。怪我からの復帰戦でランページで勝つなんて信じられん。

 

もう1人のシングルクラウンライダーだったディラン・スタークはシングルクラウンを活かしたバースピンやテールウィップ系のトリックは結果的には出さなかったものの、本番でいきなり見せたレールでのクランクグラインドからのドロップには度肝を抜かれましたね。

 

彼のディガークルー達は隠していたレールを本番前に急遽設置した様です。練習なしの1発勝負ですよ。イカれてますよね。

BMXの流れをMTBに持ってきたディランは最高にクールでした。

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次のポイント(2)の転倒者ゼロに関して。これも重要で過去のランページでは転倒者が何人も出て度々コンテストが中断。

 

重篤な怪我を負うライダーもいたりして見ていて辛かった。けれど今年はみんなクリーンなランをして誰もクラッシュしませんでしたね。

 

これって年々各ライダーのレベルが上がっている証拠でもあって、特に360ドロップなんかは合わせるのが難しい事から過去のランページでは転倒者続出の高難易度トリックでした。

それが今年はみんなビタビタに合わせてきてクリーンなランばかりでした。

 

それと1本目のランと言う事で余力を残して走ったライダーが多かった事もその要因なのかもしれません。

 

でも逆を言えば1本目は余力を残してランをする事しか出来なかったとも言い換える事が出来て、1本目からイケイケのフルアタックをした優勝のリーダーと2位のゴジエックはリスペクトに値し納得の順位だったのだと個人的に思います。

 

確かにセメナックはもっと他のトリックをやっていたら優勝出来たかもしれませんが、彼はそこまでは攻めなかった。

 

ちなみにセメナックは会場入りしたのが他のライダー達よりも数日遅かった様で今回のランページへの調整が上手くいかなかったと想像します。

 

彼はランページの直前、アメリカのラリーシリーズ最終戦でナショナルチャンピオンを獲得したばかり。

 

つい最近までラリーシリーズの最前線で戦っていたので、頭の中を車からMTBにスイッチするのは大変だったのだと思います。

 

なんとなく表情を見ていたら3位でも十分満足していた様に思いますしね。

 

最後に2位になったゴジエックのラン。あれはハンパなかった。360ドロップからの立て続けに行ったキャニオンギャップでのバックフリップ。その後のバックフリップスーサイドノーハンダーも決まっていたし、何よりスタートからのスピードが速く勢いがあった。

 

スタートからゴールまでの流れが素晴らしく、なおかつランページらしいデカいランは納得の得点でした。

 

いやもっと高くても良かったんじゃないかと思えるほどでしたよね。その辺はPINKBikeのコメント欄も荒れていました。

 

まあジャッジに関しては毎回不満が出て問題になっていますが、僕個人的にはランページ出場経験のあるジョシュ・ベンダー、ランディ・スパングラー、カイル・ジェイムソン、グレッグ・ワッツ、そしてかつてのフリーライドキングと呼ばれたダレン・ベラクロスがジャッジであれば文句はありません。

 

彼らは過去のトップライダーでコンペティターであり、各セクションの難しさ、その状況でのトリックの難しさなど一般人には分からない領域まで理解していて、ライダーの気持ちになってジャッジができます。

 

ジャッジ方法に関しては賛否両論あって、やれスノーボード方式にしろとか、やれフィギュアスケート方式にすべきだとか色々ありますが、今の方式でいいじゃんて個人的に思うのですよ。

参加ライダー達は皆彼らをリスペクトしているし文句は無いと思うんです。

 

そもそもライダーの立場からすればリザルトは大して気にしてなくて、自分の納得したランがしたい。自分のベストを出したい。他のライダーがイケてるランをすれば素直に褒め称えたい。

 

意外にもみんなそんな気持ちなんです。

他人との戦いよりも自分との戦いなんですよね。

だからスコアとかじゃなくてその時やれる自分の納得したランが出来ればハッピーなんです。

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この話の流れでポイント(3)に関して言うと、それだけに今回は2本目がキャンセルになって観客や視聴者は満足出来なかったかもしれないけど、ライダー達は十分にやり切った感があったと思います。

 

でもただ1人納得出来なかったライダーがいたとすれば、それはタイラー・マッコールだったでしょう。

 

彼は唯一スタートからゴールまで辿り着けなかったライダーでした。1本目のランでバックフリップドロップのランディングの時にペダルをスリップしてバランスを崩してその直後のジーアサートンドロップを飛ぶ事が出来なかったんです。

 

だから2本目に気合を入れていたのにキャンセルになった事はかなりフラストレーションが溜まっていた様でSNSに正直な気持ちをぶつけていました。

 

今回のランページはESPNが放送権を得てアメリカ全土でライブ中継をしていたのですが、それが大きな問題になりました。

 

2本目に入る前に30分〜40分のコマーシャルが入る事になっていてすぐにスタート出来なかったみたいですね。

 

テレビ放送なので当然スポンサーの広告を流す必要があったし、レポーターによる解説やコンピューターグラフィックでの凝った走行プレビューなどの演出も必要だったのでしょう。

 

今回は風が強くなる天気予報が事前に出ていたので30分繰り上げて競技がスタートされましたが、コマーシャルが終わった2本目に入る頃には強風が吹き付け、2本目はキャンセルになってしまったのです。

 

各ライダー1人1人のスタートする間隔も長かったので進行がのんびりに感じましたが、それはテレビ放送のために事前にタイムスケジュールが組まれていた事が理由だった様です。

 

その事情を知ったタイラーが不満を持ったと言う事ですね。そりゃそうですよ。だってライダー達は自分達のために命を張って走っているんですから。

 

特にタイラーはここ数年間ランページに焦点を絞ってトレーニングを積んでいましたからね。テレビやPCの前の視聴者のためにではなく、自分や自分の大切な人達のために走っているんですから。

 

オリンピックもそうですが、特にアクションスポーツが商業ビジネスに巻き込まれると一気につまらなくなる、と言われています。

 

テレビ放送されてメジャーになる事でより人気が出てマーケットが拡大し業界が潤う。それはとても良い事だけど悪い面も多い。

 

これは本当に難しい議題ですが、文化やスタイルが強調されたジャンルのスポーツはこれに当てはまる事が多いと思います。

RedBullランページもその方向へ引き込まれていく事に今後心配でなりません。

 

今回もランページの興奮は別格でした。年に1度のビッグイベント。現地に行きたい。出られないとしてもディガーとして参加したい。

 

今回もし天候や怪我で遅延したとしても、ふじてんに出勤しないで予定していたトレイルビルダー養成講座の開始時間を遅らせようとさえしていた事をここで白状します笑

 

そしてプラクティスで胸椎を骨折して本戦に出場出来なかったカイル・ストレイトは無事に手術を終えて復帰に向けて準備をしているとの事なので良かったです。

 

もう1人、初参加ROCKYMOUNTAINライダーであるアレックス・ボロコフもプラクティスでクラッシュし本戦に出れなかった事が悔やまれますね。

 

各ライダーにフューチャーすると話が止まらなくなるので今回はこの辺で。

 

今から来年が楽しみでなりません。

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2022/08/20

2022 REDBULL JOYRIDEレポート

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Covid19の影響により3年振りの開催となったCRANKWORXのスロープスタイル競技であるREDBULL JOYRIDE

自分も3年振りにこの場所に戻ってきました。第1回目から生で見ている自分としては、再びこの場所に戻って来れて幸せです。

ちなみにCRANKWORXのスロープスタイルは2004年に始まって今年で18回目となります。そしてREDBULLがスポンサーになりREDBULL JOYRIDEと言う名前になってその盛り上がりに加速を掛けてから今年で10年目。年々観客の数を増やし(今年は37000人の観客数)世界中からファンやライダーが訪れ、今や世界ナンバーワンのMTBイベントになっています。

 

さて今年はどんな内容だったかと言うと、今年も激アツでした。現在CRANKWORXワールドツアーで7連勝中だったエミル・ジョハンソンがその記録を8連勝目に伸ばし圧倒的なランで見事優勝を飾りました。

 

スタートドロップからのハーフキャブバースピン、連続ジャンプでの360オポダブルテールウィップ、360テールウィップワイパー、ヒップでの360バースピンアンターンダウン、スフィアでのナックナック、ボナーログでのダブルダウンサイドテールウィップ、クォーターセクションでの540アンターンダウン、最終セクションでの360トリプルバースピンと完璧のランでした。

 

この見事なランの裏にはビックリする事実があって直後のインタビューでも言及していたのですが、彼はちょうど1ヶ月前にバイクパークでクラッシュし、右手中手骨第三指を骨折しプレートを入れる手術した直後のコンテストだったと言う事です。

 

受傷後わずか1ヶ月でリハビリして優勝してしまうなんて信じられないと言うかとんでもない肉体と精神力ですよね。

大会当日の1週間前はハンドルをまともに握れなかったそうです。

 

REDBULL JOYRIDEの直前にBC州で2つの大きなスロープスタイルコンテストがあってその2戦とも欠場していたのはこんな理由があったんですね。

 

2位のティム・ブリンガーは2019年のルーキーオブザイヤーを獲得している近年登り調子でイケイケなライダー。ステップダウンでのダブルバックフリップ、ダブルでのトリプルテールウィップバックフリップなど完璧ランでした。

 

3位のトーマス・レモインが個人的にも観衆的にも間違いなく今回のハイライトでした。彼はKING OF CRANKWORXにも数回なった事のある才能あるライダーで数日前のSPEED&STYLEでもゴールドメダルを獲得しています。プロマウンテンバイクライダーの中でもズバ抜けた才能を持ちバイクコントロールは一級品。ラッパーと言うミュージシャンの一面も持つのですが、そのレモインのランが最高に熱かったのです。

 

スタートでのマニュアルからのタックノーハンダードロップ、連続ジャンプセクションでのダブルバックフリップ、ダブルバースピンタックノーハンダー、などスタイルバッチバチのトリックを連発。

 

そしてそして、最終セクションで誰もが度肝を抜かれるジャンプをしたのです。彼はなんとキッカーからプラットフォームに飛び乗らずに、ランディングまで一気に飛び越すと言うとんでもない荒技をメイクしてしまいました。

これにはその場にいた誰しもが、LIVE配信を見ていた世界中のファン達が、解説をしていたキャム・マッコールも叫ばずにはいられなかった瞬間でした。

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実はこの最終セクションでの一気飛びには逸話があり、それは2004年にまで遡ります。

フリーライドマニアの間で度々話題となる、ポール・バサゴイティアがキャムジンクから借りたハードテールバイクで、優勝してしまったあの伝説の第1回大会での事。

 

ティモ・プリッツェルと言うドイツ人ライダーで当時のDVDに出演しまくりのイケイケだった伝説のフリーライダーが同じくラストのセクションで今回のレモインと全く同じ事を行っていたのです。そのイカれた飛びっぷりは世界中のフリーライドファン達から大絶賛され、多くのリスペクトを集めました。

 

今回のレモインの飛びは僕の頭の中で当時の映像が完全にフラッシュバックされました。

僕だけでなく当時を知る30代、40代の世界中のフリーライダー達の胸を強烈に熱くさせたに違いありません。

 

当時のティモは惜しくもクラッシュしメイクこそなりませんでしたが、今回レモインはそれを見事メイクしてしまったのです。しかも当時よりも数段デカいセクションで、さらに当日の朝の練習時にクラッシュしたにも関わらずですよ。

それを本番で再びチャレンジし、キッチリメイクするなんてマジでSICKです。転倒した練習ではオーバーシュート気味にランディングして耐えきれずクラッシュしましたが、本番では踏切の強さを調整して2本目のランでは完璧なビタ着をメイク。

それは正にREDBULLランページ級のSENDでした。

彼はスロープスタイラーだけど今年ランページ出た方がいいな笑

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トップ3のランはもちろん素晴らしかったのですが、他のライダーのランも素晴らしいものばかりでした。

個人的には12位のデイウィッド・ゴズィエックがイケていた。

不運にも1本目ではパンク、2本目は最終セクションでオポテールウィップを失敗し、ゴールならずでポイントは低かったものの、ハーフキャブバースピン、ツイスタータックノーハンダー、スフィアでのドボガンとバースピンアウト、360インディなどなどスタイルとスキルの分厚さを見せ付けてくれました。

彼は少し前に開催されたXGAMES BMXダートジャンプのゴールドメダリストです。

 

今やBMX出身やBMXMTBの両方を楽しむライダーが海外では増えています。今回2位になったティム・ブリンガーもBMX出身だし、最近までスロープスタイルに出ていたアメリカの英雄ライアン・ナイキスト、そしてイギリスのクリス・カイルもMTBに乗りまくってますね。

それこそ日本の中村輪夢君がMTBに乗ったら面白い事になりそうですよね。

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今回のコースに関してマニアックな解説をすると、今年はREDBULL JOYRIDE10年目となりこれまでと全く別物のコース設定になりました。

 

今年からはJOYRIDE代表のパディ・ケイに代わりジャスティン・ワイパーが総合プロデュースを担当する様になったんですね。

ジャスティンと言えば知る人ぞ知る元BLACKMARKETのライダーでそのスキルは折り紙付き。これまでJOYRIDEでパディの右腕として働いていて、その実力が買われ今回の総合プロデューサーに就任しました。

 

まぁ僕としてはジャスティンと言えばカトマンドゥ(ウィスラービレッジ内のケンタッキーの隣にかつてあったバイクショップ の名前)の店員でエアードーム(かつてウィスラーにあったインドアバイクパーク)受付のあんちゃんのイメージが強いですけど笑

 

そのジャスティンは今年ブランドン・セメナックと一緒にセメナックのREALMと言うビデオプロジェクトに参加していたので、気が付いた人もいるかもしれません。

そのREALMからインスパイアされたのが今回のスフィアと呼ばれる半球体状のセクションなんですね。

スロープスタイルのプラクティスの時にしれっとセメナックも試走していて、それに気が付いたファン達は声援を送っていました。

 

そのジャスティンが手掛けた今回のコースは、僕個人の視点からすると少し物足りないものだったと思わざる負えません。

その理由はいくつかあって、まず1つはセクションが少し小振りだった事。スタートのドロップやラストのドロップは明らかに例年よりも高さが低いものでした。ラストセクションはウェイルテールではなくフラットだったがために速度が乗らず、各ライダー達は難易度の高いトリックが出せませんでした。

 

途中の連続ジャンプも距離と間隔が狭く、オーバーシュートしたライダーが多かったですね。オーバーシュートすると忙しくなり次のジャンプに繋げにくくなってしまうので、2つ目のトリックが決まりにくくなりどうしてもシンプル目なトリックになってしまうんです。

 

実際にほとんどのライダーが滞空時間の少ないこのジャンプではオーバーシュートしてしまい本来の大技を出し切れていませんでした。ニコライ・ロガーキンは4回転回す1440やキャッシュロールテールウィップなどの滞空時間を要する大技を出せずじまいに終わってしまいました。

今回のコースでは、その少ない滞空時間と忙しい環境の中で複雑なトリックをメイクする必要があるので、ある意味かなりテクニカルになってしまいMTBスロープスタイル本来のデカさと言う醍醐味が失われてしまった事は個人的には少し寂しかったですね。

ウィスラーはデカい!って言うのが選手達の間で話されている1つのキーワードだったですから。

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ウィスラーバイクパークのボーンヤードと呼ばれるスロープスタイルのコースがある斜面は急峻でいて、その上にチェアリフトが通っていると言うスロープスタイルコースを造る上ではかなりビルダー泣かせの制約があるので、REALMのスフィアを造るためのスペースを確保するために他のセクションの配置や大きさがそのしわ寄せを受けてしまった様に感じました。

 

MTBらしいデカさが売りであったウィスラーのスロープスタイルコースは今や同じ州にあるシルバースターやビッグホワイトのスロープスタイルコースよりも小振りになってしまって少し寂しさを感じてしまいました。

 

かなりマニアックな視点ですが、こんな視点から見ても楽しめた2022年のREDBULL JOYRIDEでした。

 

今までは当たり前の事の様に毎年クランクワークスのスロープスタイルを現地で観戦していた事がその機会をCovid19によって奪われ、今年再びウィスラーの地に帰って来れた事はプロMTBライダーの端くれとして最高に幸せな瞬間でしたね。

 

また来年も現地で観戦しレポートしたいと思います。

これは限りなく100%不可能な事ですが、もしも自分の息子がこの舞台に立ってくれたらその次の日に死んでもいいとさえ思います笑

それではまた。

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2021/10/18

2021 Redbull Rampage

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先日今年のREDBULLランページが終わりましたね。

 

去年はコロナの影響で開催されませんでしたが今年は2年ぶりの開催となりました。

 

イベント前から毎日ソワソワして本番を待ち侘びていたので当然夜中の2時からREDBULL TVの前に張り付いていましたよ。

 

今年は本番前のトレーニングで有力選手達が次々にクラッシュし戦線離脱しました。

 

過去に優勝経験のあるAndreu Lacondguy、X GAMEフィルムコンテストでシルバーメダルを獲得したBrage Vestavik、過去にポディウムにも立っているRockymountainのCarson Storch。

 

彼らはプラクティス中にビッグドロップのランディングで失敗し骨折をしてしまい出場する事ができませんでした。

 

今年の見所はやはりBrandon Semenukでしょう。出場選手の中で唯一シングルクラウンのフォークを導入し、誰もをワクワクさせました。

 

結果的にはみんなが予想したバースピン、テールウィップを織り交ぜた見事過ぎるランで2021年のランページを制すことになり4度目の優勝を手にしました。

 

個人的にはバックフリップテールウィップがヤバかったと思います。あのデカさのジャンプでビッグバイクでのバックフリップテールウィップ。

 

数年前のウィスラーのRedbull JOYRIDEで勝てなかった時のラストキャビンからステップダウンでのバックフリップテールウィップ失敗による骨折が頭をよぎりましたが、キャッチの時にペダルを少し踏み外しましたがきっちりメイクしていましたね。

 

1本目のランでフラットスピンナックナックでオーバーローテーションしましたが、あそこはトランスファー気味であのデカさだから完全にブラインドなので、トランスファーしながらのフリップ系のコンボトリックは超絶難しいのでしょう。

 

2本目はフラットスピンだけにしておいて正解でしたね。何気に巨大シャークフィンからのインバートトボガンのスタイルが個人的にツボりました。

 

そしてkurt Sorgeの2位は泣きそうなくらい嬉しかった。

 

僕が以前ニュージーランドでスロープスタイルに出場した時に仲良くしてもらって、その後ウィスラーでも再開したTEVAグローバルチームの元チームメイト。

 

過去に3度もランページで優勝しているだけあって、柔らかいこなしの安定した見事なランでした。ストレッチスーパーマン、これでもかというくらいの連続バックフリップとバックフリップナックナック、スーサイドノーハンダー、ソーギーのスタイルが完全に出ていましたね。

 

個人的には4位のCam Zinkが熱かった。彼は本番前の練習でバックフリップドロップで転倒し肺を損傷。

 

それでも強行出場してZinkらしいビッグドロップでの360とフラットドロップバックフリップにはシビれました。彼のランページの歴史を見た様でしたね。

 

ベストトリックに選ばれたTom Van Steenbergenのビッグドロップでのフロントフリップも強烈にカッコ良かった。

 

その直後のバックフリップでのクラッシュで病院に搬送された彼は、骨盤の両寛骨臼、大腿骨頭、腰椎骨折と交通事故でもあまり聞いた事がない様な骨折をして緊急手術となってしまいました。

 

彼はウィスラーのAIR DOMEとバンクーバーのAIR REC CENTERというインドアパークで一緒になった事が何度もあるのですが、その時からキレが半端ではなかった。

 

また再びライド出来る様になって欲しいと切に願っています。

 

ちなみにジャッジに関しては賛否両論あると思います。
現地のジャッジエリアからしか見えない細かい要素があって、一般視聴者が見ているPCのスクリーンからは見えない隠れた要因がたくさんあったりするんですね。

 

スタイリッシュなトリックを決めたJaxxson RidleやTommy Gの点数が低くて首を傾げた人も多かったと思いますが、そこは何も言えません。

 

ジャッジ陣は過去にランページに出場経験のあるスペシャリスト達。ライダーの気持ちにも観客の気持ちにもなれるし、ジャッジの立場として正当な評価をした事。

 

35% - line difficulty 

35% - air and amplitude

20% - fluidity 

10% - Tricks and style

 

これがランページの採点基準。トリックの配点は意外にも低いのです。

ラインのエグさ、エアーのデカさ、この辺の要素が大きいんですね〜。

 

なのでトリックが決まっていて見た目でカッコ良かったライダーは思いの外点数が低かったりするのです。

 

個人的にもJaxson Ridleのワンハンドスーパーマンシートグラブやワンハンドノーフットキャンキャンなどのフリースタイルモトクロススタイルはかなりスタイルあって良かったし、Tommy Gのレギュラーからオポの連続360ドロップや360ワンフットユーロテーブルなどのスロープスタイルさながらのランもイケていたので得点を見た直後はえっ!?っと思ってしまいましたね。

 

Redbullランページで得点を出すためには、エグいラインとデカいエアー、流れ、そして最後に多彩なトリックと言う全ての要素が要求されるという事ですね。これこそがビッグマウンテンフリーライドコンテストであり、世界中のプロフリーライダー達の目標なんだと思います。

 

ちなみに今回Semenukがシングルクラウンでの出場でしたが、来年はスロープスタイル系のTommy GやZymon Gozziekなども確実にシングルクラウンフォークを導入してくるでしょう。

 

そこに怪我で出場できなかったBrett Rheederも出場したらと考えると、すでに今から楽しみでなりません。

 

とまあまだまだ書きたい事は沢山ありますが書ききれないのでこの辺で。

 

 

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2020/09/29

2021年 ROCKYMOUNTAIN ALTITUDE

2021 年モデルのROCKYMOUNTAIN ALTITUDEが遂に組み上がりました。先日国内での注文が始まり、イタリアのEWSではJesseがチャンピオンになったバイクです。僕も国内サポートライダーとして一足先に供給していただきました。

今まで乗っていたSLAYERよりもストロークダウンしてはいますが、前作ALTITUDEからジオメトリーが変更され、さらにロングリーチになった事でSLAYER よりも安定性が向上しています。リヤサスペンションも最新のFOX  FLOAT X2になり、リンクの味付けもよりプログレッシブに変更され、160㎜ストロークと言う登って下れるおいしいストローク量なのに底無しの感覚。

最初乗った印象はリアルレーシングバイクと言った印象。速度を上げてもロングリーチと64°のヘッドアングル、37mmオフセットのFOX38フォーク、そしてランプアップしたリヤサスペンションのリンクの味付けにより安定性が高いのなんの。

根っこや段差でもトトトンと進みます。それに加えてものすごく軽快。リヤバックもカーボンなのでカーボン特有のカッチリ感がありターン時に後輪のヨレを感じません。

これはゲンノジのゲンさんが良く言うんですがトーションが高いってやつで、ねじれに対してかなりしっかりしています。ねじれないのでタイヤのキャラクターも噛みやすい。今回はリヤタイヤにMAXXIS AGGRESSORを入れましたがこれまた良い。速度域をどんどん上げれるのでレースではタイムが出そう。

チェーンステーの長さを2パターンチョイス出来るので僕は短い方をチョイスしました。後輪荷重が掛けやすくなるのでジャンプも飛びやすいですね。ランディングも安定しているのでビッグジャンプやビッグドロップを飛びたくなります。ウィスラーバイクパークのダートマーチャント辺りを流したいですね〜。

国内ではSサイズが27.5インチ、M、Lサイズは29インチの展開です。このALTITUDE1台あれば、里山トレイルやフォレストバイクなどの自走フィールド、そしてゲレンデDHパークのふじてん、富士見パノラマ、ウィスラーバイクパークまでと、どこでも高次元で楽しめますね。

ROCKYMOUNTAINがまたとんでもないバイクを作っちゃいましたよ。

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フレーム単体では少し派手かなと思ったけど、組み上がれば派手過ぎずむしろシックにさえ見えます。たたずまいのシルエットが強烈にカッコいいと思います。

 

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ヘッドバッジが新しく分厚くなりました。

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チェーンステーのBB上にはマッドガードを装備。

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ドロップエンドはチェーンステー長を2パターンで可変可能です。

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ハンドルバーは安定と信頼のRENTHAL。35径ですがとても軽量で見た目以上にしなやかなハンドルです。

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サドルはSDG BELAIR3.0の限定カラーLUXをチョイス。名作BELRIIAの最新バージョンです。上りと下りのバランスを両立させた秀逸なシェイプ。

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FOX純正のマッドガードはアーチの下にピッタリと納まりともてスマートです。

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FOX38は他に類を見ない程のスムースさを誇ります。当たりが優しい秘密は大径化されたアウターケースとスタンチョンによる剛性アップや、ポジティブとネガティブスプリングのバランスの最適化などでしょう。その上ダンパーがしっかりと機能しているので当たりが優しく感じます。このフォークを1度使うと他に戻れません。決して大袈裟ではなく、それくらいライディングが楽しくなります。

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FLOAT X2もニューバージョン。全体の形状が少し見直され、ハイスピードリバウンドダイヤルがボトム付近に離れて付き、リザーバーに付いている赤のダイヤルはロースピードリバウンドのみに。コンプレッションはロースピード、ハイスピード共に青いダイヤルに納まります。個人的な感覚では前モデルよりもミッドストロークサポートが強くなり安定したダンピング性能でフルボトム知らずになりました。

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SLAYERで旧FLOAT X2と38フォークを使っていた時は38の当たりがあまりに優しいので、リヤからの突き上げを感じてリヤが負けている感覚でしたが、今回は前後ともに2021年モデルになった事で完全に前後バランスが取れました。

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ハブはONYXのSHIMANOマイクロスプライン対応新型ハブ。構造が少し変わったとの事ですが回転性能や剛性感はさすがONYXと言った感じでとてつもなく良く回転します。シングルトラック内の斜度の緩い場所での減速感が薄くなります。ゼロノッチなのでコーナーの立ち上がりでのペダリングや低速でのラチェッティングの時の掛かりが最高です。

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リムはSTANS FLOW EX3。FLOW MK3よりもやや重くはなりましたが、その分強くなっています。僕はリムをよく壊す人なので今回は強さを優先しました。とは言っても十分軽量ですが。ワールドカップDHやEWSでも使われているリムですね。

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フロントには鉄板とも言える超安定のMINION DHF。転がりの軽さとグリップ力の両立。フロントは絶対に滑らせたくないですよね。

 

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リヤはMAXXIS AGGRESSOR。転がりが軽いにも関わらず、大きなサイドノブのおかげでコーナリンググリップが高いです。サイドノブがしっかりあってコシがあるので路面に良く食い付きます。サイドノブと2列目のノブの間が少し開いているので、加重を掛けてサイドノブがブレイクする時にタイヤの流れだしが掴みやすいです。そしてセンターはノブが低い割にブレーキングも十分効きます。EWSでもリヤタイヤに装着するライダーが増えました。

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バッシュガードは77DESIGEZ。さり気なく存在し強力な威力を発揮します。小さな存在でいて大きな安心ですね。

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ブレーキは信頼のMAGURA。ここ数年、ふじてんでも多く見る様になりました。MAGURAの特徴はモジュレーション性能が高く非常にコントローラブルな事。決してカックンと効き過ぎる事はなく、意識と連動させて奥まで握り込めばガツンと効きます。低、中、高速域どこでも期待通りの効きを提供してくれます。

 

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グリップとペダルのコンタクトポイントにはCHROMAG SQUREWAVEをチョイス。グリップは太さがちょうど良く、手の小さい僕の手でも握りやすいですね。小さいブロック状のヒダのおかげで滑りにくいです。ペダルはウィスラー在住のレジェンドライダー、クリス・コバリックのシグネイチャーモデルのDAGGA。

縦にも横にも広めですが、邪魔に感じる事はありません。Qファクターが広いのでターン時に加重がしっかりと掛かりターン動作においても非常に調子が良い。ピンが高めなのでペダルに確実に食い付き、バイクとの一体感が凄いですね。ピンが高いと踏み外した時に心配ですが、ピンが高いので鬼の様にグリップし、逆に踏み外した事は一度もありません。強いて言えば、インバートやウィップなどのエアートリックの時に食い過ぎて技の入りを妨げる事があるくらいでしょうか。ダートジャンプ以外の用途としては、このペダルは最強だと思います。

 

 

 

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2020/08/04

2021 FOX 38FLOATの衝撃

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ようやく梅雨明けしたという事で慌ただしいコース整備とクリニックの合間にやっと新型フォークのテストライドが出来ました。FOXの新型フォークである38FLOAT。FOXに新しいラインナップに加わったエンデューロレース向けモデル。久しぶりの衝撃でした。

数年前に初めてサポートしていただいて使った36FLOATが最初の衝撃。なんなんだこれ反則じゃん。という感覚。ダンピングのきめ細かい質の良さ、剛性感、摺動抵抗の少なさによるスムース感。あの時も感動しました。けど、今回の38の感動と衝撃はそれ以上でした。

何が凄いって、まず感じた事は剛性の高さ。走行中にフォークの前後方向への撓みが感じられないのでとにかく良く入る。EVOLの機構がさらに進化したので今まで以上にスムースになっていて、僅かな段差やギャップの衝撃をとにかく拾いまくるんです。わざとラインを外して連続した根っこや溶岩帯に突っ込んでも手への衝撃が無い。衝撃が無いって又オーバーな!と思うでしょうがホントなんです。とにかく手への当たりが柔らかく優しいんです。

最初は38になった事で剛性が上がりスパルタンな乗り味を予想していましたが真逆。剛性が高くなった事を逆手に取ってかEVOLスプリングを進化させ入力し易くなった事で逆にマイルドに。そしてさらにGRIP2ダンパーをも進化させ初期、中間域、ボトム付近までを見事にコントロールしているので不意に入り込む事はなくウルトラスムースでいてかつ踏ん張るという逆説的な要素を見事に備えているんです。こりゃ驚きましたよ。ハードブレーキングやバームでのGの掛かるハイスピードコーナリングも物ともしません。40並みの剛性感、もしくは全長が短い分40以上かも。

新しく38に交換した事でフロントがかなりカッチリしたのですが、僕のロッキーマウンテンスレイヤーのフレーム剛性もかなり高いので逆にバランスが取れました。最近のエンデューロバイクはフレーム剛性が高いのでバランスが取れるモデルも多いはず。今思えばこれまでの36は華奢だったな〜とさえ感じますね。

また路面の設置感が凄いです。オフキャンバーや根っこセクションでフロントが滑る気がしません。路面の凸凹をスルスルっと簡単に通り抜けてくれるので進んで行く時の減速感がないのにも驚きました。この感覚は29インチホイールに乗っている時に似ていて27.5インチホイールでも29と同じ様に減速感がなくグングン進んで行くんです。これってレースではかなりのアドバンテージになると思うんですね。タイム出ますよこれは。

僕の様なレーサーではない人にもお勧めで、ライド中に気持ちにかなりのマージンが出来るのでライン選びが楽しくなります。あえて厳しいラインに突っ込んでみると言うチョイスが生まれ、走破した時の達成感や爽快感はマウンテンバイクの面白さを再確認させてくれます。初めてチャレンジするビッグジャンプやドロップでもこの38ならチャレンジを後押しメイクへと導いてくれますね。

毎年毎年FOXの進化が凄いと感じていましたが、今回の進化はケタ違いでした。これからフロントフォークの購入を検討している方は参考にしてみてください。実際に押してみたい方はふじてんで僕に声を掛けてくださいね。押したら買っちゃいます多分。

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グラフィックが変わりマットからグロスへ塗装も変わりました。

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楕円形のステアリングコラム。縦方向へのしなりを減少させている。力が掛かる所は厚く、掛からない所は薄く。これもFOXの技術力ですね。

 

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エアーブリーダーが追加されフォーク内圧を大気圧と均等化するシステム。ロワーレッグはストロークする度に僅かながら空気を吸い込みます。ロワーレッグに空気が溜まるとスモールバンプの応答性が低下し手にコツコツくる様になりますが、そんな時に簡単にエアを抜いて大気圧に戻す事が出来るんです。標高の高いスタート地点なんかでプシュッと抜けばいつでもベストな状態で走る事が出来ます。

まあここまでは40にもあった機能なんですが、それに加えてこのブリーダーはシールやブッシュに対してオイルを潤滑する仕組みが加わりました。大気圧に戻してさらに潤滑できるなんて凄くないです!?そして見えにくいのですが、ロワーレッグチャネルと呼ばれる空気の通り道はリブの役割を果たし剛性の向上に寄与しています。ん〜、抜かりなし。

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新型アーチ。見た目は好みが分かれると思いますが、実物はマッシブでかなりカッコ良いです。バイクに装着するとまたさらにかっこいいですね。この形状がFOXが導き出した軽量と高剛性を兼ね備えた答えの様ですね。FOX純正フェンダーも発売されピッタリと装着できてカッコ良さげです。既製品のフェンダーを取り付けると、タイラップで締めるためせっかくのグロスにほんのり傷が入ります。なので純正品がオススメ!

 

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フローティングアクスル。フローティングスリーブをハブの幅にピタリと合わせ締め込む事ができます。何かで見ましたがハブ幅ってメーカーによって数ミリ単位で誤差があるみたいでこの方式を取らないと微妙なズレが生じてしまう様です。FOXはフローティングアクスルにより完璧な位置合わせが可能になり狂いがないのでストロークを妨げません。ただ取り付ける手順を間違えると意味を無さなくなるので、行きつけのプロショップから取り付け手順の説明をしてもらいましょう。マニュアル読んでもわからない人は多いと思います。そんな時の頼りになるプロショップですよね。

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GRIP2のハイスピードコンプがVVCバルブに進化。全6ノッチで変化の違いが分かりやすく調整しやすくなりました。

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2020/05/27

エントリーモデルRockymounain SOULの実力

DKFREERIDE MTBパークのレンタル車両として導入したROCKYMOUNTAINのエントリーモデルSOULがあまりにも調子良いのでご紹介しちゃいます。このバイク、エントリーモデルであるにも関わらずヘッドアングル66°、REACH 445㎜(Mサイズ)とイケイケの最新ジオメトリーなんですよ!

そこそこ速度を上げてもコーナリングが気持良くハンドルが切れ込みにくいのでバイクを倒し易いんですね。バームなんかでスパッと曲がってくれます。
チェーンステーも425㎜と絶妙な所を突いてきているので、ジャンプも飛びやすいしパンプトラックでも割とギュンギュン進みます。

エアートリックも問題なく出来ます。箱から出したつるしの状態だったのでハンドル幅が長いのとサドルの位置が邪魔で思う様には入りませんでしたが、コックピットを自分に合わせてサドルのセットアップを行えばおそらくガッツリ入ると思います。ちなみにジャンプではSサイズの方が自分の身長に合っていて飛びやすかったですね。

最新ジオメトリーのフレームという事は、最初の1台にオススメで、少しずつお金を掛けていけば理想の一台に仕上げる事もできます。
乗った印象だと、ハンドル、ステム のコックピットを自分に合わせてリヤメカをスプリングの強いモデルに交換して、フロントフォークをFOX36辺りに換えればちょうど良いトレイルバイクになってしまいます。
ジオメトリーが良いのでバイクがライダーのスキルを補ってくれて、MTB初級者でも乗りやすく感じると思います。名前の通りROCKYMOUNTAINのSOULを感じる1台ですねー。

価格も10万円を切ってくるので、これからMTBを始めたいと思っていてハードテールで何を買えば良いかわからない人にはとにかくオススメしたいバイクです💪

詳しくはお近くのROCKYMOUNTAINディーラーまで。
https://aandf.co.jp/…/rocky_mountain_bicy…/catalog/2020/soul

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SMITHのご紹介

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いつもサポートしていただいているSMITHのご紹介。ライディング中にも普段のライフスタイルでも目を守ってくれているSMITH。ブランドン・セメナックやブレット・リーダー、アギー、アーロン・グインなど世界中のトップライダー達も愛用しています。

ChromaPopレンズは薄暗い中でも晴れている中でも、裸眼に比べて明らかに見やすいんです。人間の目というのは色の三原則である赤、青、緑が交わる所が白にぼやけて見えるのですが、そこがハッキリと見えるのがクロマポップの特徴。視界の中の色にぼやける場所がなくなり、目に入ってくる色それぞれがハッキリとクッキリと見えるんです。これはSMITHの1つの発明ですね。初夏の木々の緑や秋の紅葉の色が鮮やかに見えて感動さえします。

ゴーグルはクリアレンズ派の人にも朗報で、クリアレンズのみのモデルも登場。その分値段が安くなっているのでさらに買いやすくなりました。

SQUADとSQUAD XLの2種類があり、SQUADは一般的なゴーグルの大きさでSQUAD XLは一回り大きなモデルになります。

個人的にはXLを好んで使ってます。装着した時にフレームが見えないので視界が広くなります。フルフェイスとの相性もバッチリ。ちなみにセメナックやリーダーは通常のSQUADを使ってますね。

サングラスもお洒落なモデルばかりで自然に程よくカッコつける事ができます。もちろんクロマポップ付き。運転中とか最高です。

そんな魅力ばかりのSMITHですが、実物が見たい方はお近くの販売店もしくはふじてんで僕に声を掛けてくださいね🤘
https://smithjapan.co.jp


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Rockymountain エンデューロチーム限定モデルはRockymountainオーナーなら必ず持っておきたい所ですね♩こちらはXL。

ベルトの色もデザインもシックでカッコよろしいです。

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こちらはSMITHヘルメットから発売されたGetwildシリーズと同カラーのゴーグル。

ゼブラ柄とピンクのロゴ、ブルーのkoroydが最高にカッコいいですね〜。

1989年にSNOWで発売されていたカラーをBIKEシーンに落とし込んだそうです。

僕はTroy LeeサポートライダーなのでSMITHヘルメットを被れない代わりにGetwildカラーのゴーグル(スノー用)を使わせていただいてます。

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こちらはMTB専用モデルであるATTACK MTB。MTB専用モデルだけにヘルメットとの相性も良いですね。付け心地も軽くてお気に入り。

この薄い黒のレンズは調光レンズ。家の中などではクリアもしくは薄い黒色なのですが、太陽の下などの紫外線が当たる場所ではさらに黒くなります。紫外線の量に応じて色の濃さが変化するので様々な天候や時間帯に対応しますよ。

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2019/10/30

Redbull Rampage 2019

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今回のブログは非常にマニアックな個人的な感想です。長文なので飛ばしてもらって大丈夫。でも少しでも共感してもらえたら嬉しい。

 

今回のレッドブルランページは僕の中で特別な回で、それは何でかって言うと他の参加ライダー達もおそらく同様で、ジョディーランを偲んでのランページだったと言う事です。

 

ジョディーはランページの2週間前にフィルミング中の不慮のクラッシュで亡くなってしまいました。

 

セメナックがゴール後にジョディー追悼の意を込めたステッカー(「Rough AF」と言うジョディーの動画シリーズの名前)を指差していたのが印象的。ラン後のインタビューでもジョディーの事を話していた時、少し涙ぐんでいたように思います。僕も今回のランページではジョディーを想って3回ほど泣きました。

 

ジョディーと仲が良かった同じカナディアンのアギーはゴール後におもむろにプッシュアップを始めてましたね。それは日頃から腕立て伏せで体を鍛えていた自重筋トレマニアのジョディーを表現していたんだと思います。数人のカナディアンライダーは今回のランページはジョディーのために走ると言っていました。

 

ブレンダンフェアクローの2本目のランの時、大岩ドロップの上でフェアクローはランを中断してプッシュアップを始めました。あれもジョディーを想っての行動だったんです。

 

ランページ前は参加ライダーと観客全員はプッシュアップをやってジョディーを追悼している映像を見ました。ジョーディー・ランという男はそれほどまでに皆に愛されていた偉大なライダーだったのです(過去にUCI DHランキングでカナディアン最高位、人気MTBムービーには毎回セグメントを持ち、コーク720をMTB史上初めて成功させたなどの功績を残し、それ以外にも全身タトウーで皆に愛されたキャラでした)。

 

さて競技の内容はと言うと、今回は誰もが認める世界ナンバーワンフリーライダーのセメナックが超絶スキルを持って見事勝利を飾りました。最初のドロップからオポ360で決めて余裕ありまくり。その後もスーサイドノーハンダーや450フリップを繰り出し、ビッグドロップでのバックフリップワンフットキャンキャンと最後のフットプラント360は流石としか言いようがありませんでした。全てのトリックをいとも簡単そうにサラッと決めて、ゴールしたら90点台ですよ。動きが滑らか過ぎて凄い事をやっているかが分かりにくかったかもしれませんね。

 

2位のリーダーも良かったですね。ベストトリックを受賞したフラットドロップでの軸ズレバックフリップワンフットキャンキャンにはシビれました。1本目は全体的にスピードが足らず後輪をケースしまくって得点が出ていませんでしたが、2本目からは完璧に合わせてきました。最後のオポフラットスピンもバッチリ決めての90点台。

 

3位のトムヴァンスティーンバーゲンもファーストドロップでフロントフリップ、そして去年に続きビッグドロップでのフラットドロップバックフリップからのバックフリップワンフットキャンキャンは見事でした。

 

個人的に熱かったライダーはやはりらコンデギーでしょうか。1本目でフラットスピンを飛びすぎた後、続けざまにバックフリップをしたけどアンダーローテーションでクラッシュ。頭を打ってフラついて、多分一瞬意識飛んでましたよね。悔しくて何度も拳で地面を打ち付けていたのはよほど悔しかったのでしょう。あのクラッシュでよく2本目を飛んだなと思いましたよ。彼のランページに賭ける気持ちが伝わってきて僕も込み上げるものがありました。そして2本目は少し抑えめに同じルーティーンで走り、1本目に転倒した場所でのバックフリップを見事にメイク。

 

ところがランディングがそれてとんでもないラフな場所に着地したにも関わらず、見事過ぎるリカバリーで会場を沸かしていました。彼の凄いところは全体的なスピードが速い事。下ってくる勢いが半端じゃないんですね。難しいラインチョイス、トリックとスタイル、流れとコントロール、動きの滑らかさ、などのジャッジ基準のどれを取っても当てはまっていたように思います。

 

しかし最終ジャンプでフラットスピンをメイクできなかったのは本当に惜しかったと思います。あれがなかったらポディウムは確実だったなあ。たまたま強風が吹いたのかもしれませんね。

 

他に気になったライダーはカイルストレイト。過去に2度優勝経験があるだけに、下りのこなしはピカイチでビッグドロップでのスイノーハンドのフロント下りがエグイ!彼のシグネイチャートリックですね。もう1つのシグネイチャートリックである、最初のドロップでのアンターンダウンもかなりイケてました。1本目に繰り出したニュートリックのバックフリップスーサイドノーハンダーも良かったですね。奥さんのレイチェル、激カワですわ~笑

 

他にも気になったライダーはエグいラインを攻め続けたザイモンや、キレキレの走りを見せたビニーT、スムースでいてビッグドロップでのバッフリップを決めたTマック、そしてレーサーらしい超速ランからのキャニオンギャップでのバックフリップとバックフリップタックノーハンダーを決めたフェアクローなど、とても良いランだらけの今回のランページ。

 

1本目の選手がスタートした時間帯に風がなかったのが良くて、みんな良いランをしていました。これはオーガナイザーがグッジョブで開始を1時間遅らせたのが功を奏したように思います。転倒が少なかったので途中中断も少なくスムースに競技が進んでいたと感じました。

 

各ライダーのレベルが数年前と比較すると格段に上がっています。今までスロープスタイルバイクやハードテールでやっていたトリックをビッグバイクでやる事がプロライダーの間では今や当たり前になっていて、世界的にレベル上がっていますね。日本だけ何も変わっていないと言う。なんともせつない。

 

と言う事で今回のランページはジョディー追悼、セメナック優勝、どのライダーも良いランをしたと、そんな印象のランページでした。

まだまだ解説したいライダーも多いし書きたい事は沢山あるけど、最後に1つだけ。

 

ランページはただ危険で過激な命知らずのスポーツだと日本のメディアなどに紹介されている事は僕はどうしても納得がいかない。

 

超人的なスキルと肉体は彼らの日頃からの努力の結果で身につけ、バカでかいセクションの距離や高さは実は緻密に計算され物理的な安全がある程度確保されたものである事。

 

各ライダー達はプロライダーで結成されたディガーチームを作り何日も前から現地入りして自分自身の走るラインを建設している事。彼らは言わば一般の人では計算しきれない規模感のセクションを造れてしまうセクション造成のスペシャリストでもあると言う事。実はいろいろな根拠が存在している、見せ物だけのスポーツではないと言う事を強く言いたいのです。

 

彼らの超人的なスキルは子供の頃から毎日毎日ひたすらMTBに乗って培い、プロになってからは科学的な運動生理学などのトレーニングも取り入れてこの競技と向かい合っているのです。

 

アクションスポーツなのでちゃらけて見えたりアホに見えてしまう部分があると思うけど、見えない所でみんな常人以上の努力を積み重ね文字通り命を懸けているのです。

 

これは大げさではなく真実であって僕はそれが最高にカッコいいと思うんですよ。

 

オイオイ、なんか大げさなことを言っているな~と思うかもしれませんが、過去17年間カナダに行き続けてフリーライドの技術を磨き、彼らと同じFMBA(フリーライドマウンテンバイクアソシエーション)のライセンスを持つ立場の自分からすれば、全く大げさではなく共感しかできないのです。

と言ってもなかなか理解してもらえないと思うけど、僕は今後も発信し続けたいと思います。ジョディーの生きた意味を少しでも多くの人に理解してもらうためにも。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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