リスクマネジメント
久々に怪我について考えてみた。
かつて僕は毎年カナダに行く度に怪我をしていた。今思えば、日本で体験できないテクニカルかつスケールの大きなコースに対応し切れずにクラッシュし怪我をしていたのだろう。しかし、いつしかライディングスキルが向上しマージンを残しながらも攻める走りを覚え、ほとんど怪我をする事がなくなった。
このスポーツには怪我は付き物。どんなに慎重に走っていても運悪く怪我をする事だってある。そんなスポーツだからこそ、長く楽しむためには怪我をしない走りを身に付けるべきだと思う。では怪我をしない走りをする為にはどうすればいいか。それはライディングスキルを上げる事。自分の思い通りに自由に曲がれて、自分の思い通りに減速が出来て、自分の思い通りにジャンプが出来る事。それらが身に付けば怪我のリスクは大幅に減らす事が出来るのだ。僕はそれを身を持って覚えた。
僕が主催しているフリーライドクリニックは一般的なスクールではあまり教えられる事がない、ジャンプやドロップオフを含めた内容のスクールを展開している。それはジャンプやドロップオフを楽しんでもらう為と言う事はもちろんだけど、それと同時にそれらのスキルを身に付ける事によって自然に怪我を回避する能力を身に付けてもらいたいと言う考えもある。ジャンプやドロップオフなど縦の動きで怪我をする人のほとんどは、飛ばされたり、弾かれたりと、バイクが自分では予期せぬ動きをした結果、タイヤのグリップを失って転倒するパターンがほとんど。フリーライドクリニックで加重と抜重の技術を覚える事によって、飛ばされるのではなく自分の意思でジャンプやドロップオフを飛べるようになるのだ。この状態が怪我のリスクが少ない状態だと言えるのだと思う。
怪我を少なくする為にはコースも重要だ。安全に曲がれる為のコーナーや安全に飛べる為のジャンプやドロップが必要である。残念ながら日本には限りなく少ない。それに気づいている人間さえほとんどいない。それらの事が網羅されている代表的なコースと言えばウィスラーバイクパークである。ほぼすべてのコーナーには横滑りを食い止め転倒を防ぐ大きなバームが設置され、ジャンプやドロップには転んでも力が逃げる様に大きなバックサイドがあるのだ。日本にはそのようなコースはほとんど無いのが現状で、造れる人材も不足している。海外のコースは単純に走って楽しいと言うことばかりではなく、いかに安全に楽しめるかと言うことも考えられている。まあそうでもしないと怪我人が多すぎてそのスポーツ自体が成り立たなくなってしまうので色々と試行錯誤があったのだろう。バームやジャンプやドロップは走って楽しめるのはもちろんの事だが。日本の常設コースでの怪我の問題も、その辺を見直す必要があるのではないだろうか。ちなみに僕が管理しているCSCのMTBコースは僕の経験を生かし万全を尽している。
僕自身今までの怪我歴をぶっちゃけちゃうと、右橈骨遠位端部骨折、頚椎圧迫骨折、手根骨開排脱臼(オペあり)、中足骨開排脱臼(オペあり)、肩鎖関節脱臼(オペあり)、4回の鎖骨骨折(オペあり)、前距腓靭帯損傷、踵腓靭帯損傷と、まあ僕以上に怪我歴のある人にお目に掛かった事が無い。そんな怪我の経験もあって、僕は3年間学校に通い国家試験に合格し柔道整復師と言う「接骨師」の免許を取得した。怪我について徹底的に勉強する事でその予防や原因を探れるのではないかと思ったし、このスポーツで怪我をする人が少しでも減ればとの思いもあったからだ。ちなみに骨折と脱臼の整復(骨を元に戻す事)がその場で出来るのは柔道整復師と医師だけである。
僕は先日怪我をしてしまったけど、これはバックフリップと言う特殊な技をやっていた時の事で、プロとして極限の状態で練習をしていた時の事。決して怪我の恐れのある危険な事を推奨している訳ではない。フリーライドと言うすばらしいジャンルを広めると同時に怪我のリスクや予防もこれからも説いて行きたいと思う。これが出来るのはひょっとしたら僕だけかもしれないから。
と言うわけでMTBは特別危険なスポーツではなく、ある程度のスキルを身に付け、適切な心構えとヘルメットやプロテクター等の怪我の予防を万全にすれば安全に楽しめます。怪我をしてからでは遅いので十分な予防対策が大切なんですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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