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2013/04/02

TEVA Slopestyleレポート2

TEVA Slopestyleレポートつづき

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翌日は公式練習。ソーギーとドロップに登りました。ソーギーはカナディアンでビッグマウンテン系のライダー。2012年REDBULL RAMPAGE覇者。僕がシビレル程に尊敬するライダーの1人です。そんなソーギーにカナダの話をしたら喜んでくれてすぐに打ち解けました。

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XGAMESメダリストのチャド・ケイギーとのショット。彼はアメリカのキッズから大人までを魅了するBMXのレジェンドライダーです。彼はBMXのバートの専門ライダーですが、今年からMTBスロープスタイルに参入してきました。まさか会えるなんて!

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早速練習開始。他のライダーはトリックをバシバシ決めていましたが、僕は慎重にならざる負えません。まずはコースに慣れる事から始めなければなりませんでした。

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ヒップtoウォール。このセクションには苦戦しました。まずドロップ直後にあってさらにリップがデカいので何度もタイミングが合わず。ラインミスを連発したり時間を費やしました。

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僕のランを見ていてくれたケイギーがライン取りのアドバイスをしてくれました。なんと嬉しいことでしょう。Xgamesのメダリストからアドバイスをもらえるなんて。ケイギーめっちゃ良いやつです。

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当日はギリギリまで練習し最終的なイメージも掴み試走終了。前日の練習からぶっ続けでライドしているので、この時にはすでに心身ともにボロボロで足腰ガクガク。普段からディグやライドをしているので体力的にそこまで心配していませんでしたが、2日間気持ち張りながらぶっ続けで練習したらフラフラになりました。ペインリリーフの錠剤をいつもより多く飲み気合いを入れ直しました。

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ライダーズブリーフィング。ルール等が説明されました。

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スタートヒルからの景色。僕の順番はプロクラス5番目での出走。

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(Photo:Bike Festival Queenstown)

今まで味わった事のない緊張感に包まれながらスタート台に立ちました。ドキがムネムネするとかそんな事は言ってられません。人と言う文字を手のひらに3回書いて飲み込みました。

ちなみにとなりにいるライダーはこんなナリして激ウマでした。

この時点で見せ場であるビッグダブルで何をやるのか考えていました。それは僕がいつでも自信を持って繰り出せるスーサイドノーハンダー。日本だとチキンウィングとも呼ばれています。

本当はこっちに来る直前までバックフリップを意識して練習していましたが、そもそも2メートル以上あるキッカーでバックフリップをやった事がありません。ウィスラーで練習していた台も180センチ位。ここでリスクを負う事はあまりに無謀すぎると判断。やはり気持ち良く楽しみながら終わるには自分の一番得意なトリックが良いなと思いました。

スタート台から見下ろせば黒山の大観衆。もうこの時点でテンションはマックスに。

stランはドロップをこなした後に気持ちが空回りしたのかウォールでのライン取りをミス。その影響で3つ目のステップアップとステップダウンで後輪をゲシって減速してしまいダブルが飛べずまさかの失敗。残り1本しかないと思うとプレッシャーはどんどん掛かって行く。

2本目が始まるまでに少し間が空いてしまいその間に解説のキャメロン・マッコールが僕の紹介をしてくれていたように聞こえました。やべ~、注目されてる。そしてもう1人の解説者が「サ~ド~ゾ。」となんと日本語で合図をしてくれました。

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(Photo:Bike Festival Queenstown)

2本目はウォールのラインも悪くなく無難にステップダウンtoドロップもこなし気持ち良く踏み切ってノーハンドをやりました。

観客がこっちを見上げている空中からの景色とカメラのフラッシュがめっちゃきも良かった。

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キッズ達とハイタッチ。とてつもない安堵感がやってきました。

 

結局僕は自分がやってて一番気もち良いと思えるチキンウィング(スーサイドノーハンダー)を選択しました。バックフリップやナッシングも考えましたが他の奴らの複雑なトリックにはそんなもんじゃどう考えても勝てないし見栄えもありません。チキンウィングと言うトリックはビッグマウンテン系のライダーが好んでやるので僕的にもお気に入りのトリックだし他の誰もやっていなかったので自分のスタイルを通しました。

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スーパーファイナルは8人にしぼられました。ここからはもうただの観客に。

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サム・ピリグリムのスーパーマンバックフリップ。

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サム・デュエックのスーパーマンテールウィップ

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ジャッジタワーにはビッグマウンテンのスター、マイクホープキンスの姿が。

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ケリーのバックフリップノーハンダー。

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ケイギーのフリップウィップ。難易度の高いトリックが連発。

写真じゃ伝わらないのであとはオフィシャル動画をご覧下さい。http://vimeo.com/62862607

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優勝はサムピリグリム。ドロップでバックフリップインバートを決めウォールではアーリウープ、ステップアップでタックノーハンド、ステップダウンで360Xアップ、ビッグダブルでフリップノーハンダー、最終ウォールでフレアー、と全てのセクションで高難易度のトリックを抜群の安定感で繰り出しました。

今回2位になったライダーはチェコのトーマス。バースピンを織り交ぜたトリックの切れ味が抜群でこれから出てくるであろうアップカマー。去年のFMB年間ランキングも20位に付けておりこれからが楽しみなライダーです。プラクティスからキレキレでした。3位には地元のコナ-。TEVAライダーのニュージーランド人で総合的な技の完成度が高かった。

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コンテストのあとはアフターパーティー。

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ソーギーも飲んでます。

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ベニー・フィリップスはどこで覚えたのか、悪い下ネタ日本語を連発していました(笑)ベニーは去年のTEVAスロープスタイル覇者で2年前のクランクワークスのベストトリックで優勝してからガンガン出て来たライダーです。去年ウィスラーのエアードームでフォームピットの外にランディングしてしまい大けがを負ってからの復帰だっただけに今回のライドはかなり慎重でした。早くライディングも本調子に戻って欲しいですね。めっちゃ良いやつでした。

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今回ジャッジをしていたマイク・ホープキンス。日本ではあまり知られていませんが、海外では言わずと知れたビッグマウンテンのスターです。LIFECYCLESのオープニングから出てたライダーと言えばわかりやすいかな?ホープキンスは僕のノーハンダーを褒めてくれました。光栄過ぎる♩

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おっさんライダーの3人。この2人が飛んでいる限りまだまだ僕も飛びますよ!

翌日の午前中はSkylineバイクパークでライディングしようと計画していましたがゴンドラが観光客オンリーでバイクは乗れず。GorgeRoadのダートジャンプもホントはむちゃくちゃ飛びたかったけど、ブロックタイヤ禁止と言う事で自粛しました。と言っても、身体がボロボロで体力的にきつかったからちょうど良かったかも。

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TEVAライダーのやつらは疲れを知らずにガンガン走ってました。また今年ウィスラーで会う事を約束し僕らはこの場を後にし今回のツアーは終了しました。

今回初めて上陸したニュージーランドでしたが、このクイーンズタウンと言う町は噂通りのハンパないバイクタウンでした。町自体はコンパクトなんですが、すぐ目の前にゴンドラアクセス出来るバイクパークがあり、周辺には自走で行けるトレイルが無数に存在し、ダートジャンプ、スケートパークと小さい範囲の中で、もの凄い濃い内容でマウンテンバイクが楽しめるんです。これはまさにウィスラーに似た環境で、近い将来第2のウィスラーと言われる事になるではないでしょうか。ウィスラーのバイクショップで働いている店員やウィスラーのローカルライダーとも会う事が出来たのですが、ウィスラーとクイーンズタウンを行き来していると言っていましたしね。北半球で夏に走って夏が終われば南半球の夏にまた走る、一年中バイク漬けの毎日を送っているやつも少なくないみたいですね。世界中集まる所は一緒って事ですな。

今回のスロープスタイルのライダー達のレベルを振り返って見ると、FMBワールドツアーのシルバーイベントと言う事だけあって劇的にレベルが高かった。

2位のトーマスの他に今回もう一人ダークホースとしてティオと言うスウェーデンのライダーがいたのですが、不運にもプラクティスで転倒し肩を痛めてDNS。

プラクティスからイケイケでダブルテールウィップを左右両方向に回し、スーパーマンテールウィップにフリップドロップとノリに乗った走りをしてただけに本当に残念でしたね。

こいつはいったい何者?と思ってたら、タイムリーな事にPINKBIKEに彼の動画がアップされていました。

http://www.pinkbike.com/news/Teo-Gustavson-Bulls-Bikes-video-2013.html

ドイツから来ていたサイモンはBergamontと言うブランドのライダーでこいつも激ウマでした。サイモンには試走で引っ張ってもらったり色々とアドバイスをしてくれて世話になりました。

http://videos.mtb-news.de/videos/view/21534

実はこいつらは初日にWynyardで一緒に練習したやつらだったんです。どうりでメチャクチャ上手いと思った。今思えばWynyardでたまたまこいつらに出会って、一緒に練習出来た事は本当にラッキーでした。トーマス、ティオ、サイモン、ブラッドリーにはホントに感謝。

 

今回は他にも沢山のライダーに助けられました。いろんなやつから「お前のサス柔らかいからエアー圧高くしろ」などのアドバイスをもらったり「お前のタイヤはブロックタイヤで重いからノブの低いスリックにした方が良い」などと本当にみんなフレンドリーで良い奴らばかりだった。みんな人懐っこく何かトリックを決めればみんながたたえてくれるし、やっぱこの感じなんだなと思いました。

今回僕はスレイヤーSSを持ち込んだのですが今回のコースとの相性がベストではなかったようで、それが理由で色んなやつに声を掛けられました。僕のバイクはリヤサスがある分飛び出しで吸収されてしまいジャンプの高さが出にくくなってしまうんですが、踏切りのタイミングが掴めず苦戦をしている僕に沢山のライダーが声を掛けてくれました。みんなのアドバイスをもらってから僕は前後のサスペンションのセッティングを規定値のマキシマムまで上げました。するとタイミングも取れてかなり楽に飛べるようになりました。この辺のセッティングは分かっているつもりでしたが、ここまで固くするとは思いませんでした。1つ勉強になった。タイヤもブロックの低いMYTHOS XCに変えてウォールでのヨレもなくなりました。今回持ち込んだスレイヤーSSはクランクワークスの様なハイスピードで斜面のあるコースに適しているバイクで今回の様なスピードが出にくくて人工物の多いコースには不向きだったようです。もう1人僕以外にフリーライドバイクのライダーがいたのですがそいつは当日に棄権してしまい、結局僕以外は全てのライダーがハードテールでした。まあ逆にそれが1人だけサスペンションバイクと言う事で目立って良かったんですけどね。

今回の自分のライディングを振り返ってみると、自分的にはぶっちゃけダメダメでした。クラッシュのない方向性でトリックは無難だったし、ライドも攻めきれませんでした。体力的にも技術的にも経験も全てが他のライダーに劣っていました。せめて夏にカナダで走っているフィットネスレベルで出れていればこうはならなかったかもしれませんが今の現状ではこれが精一杯でしたね。まあでも怪我なく帰って来れた事だけでもの良かったのかもしれません。

僕は決して若くはないのでこれから積極的に海外のコンテストにガンガン出て行けるかは正直わかりません。自分で運営しているライディングクリニックもバイクパークもあるし家族もいます。それで生活している以上、怪我のリスクは最小限に抑えなければなりません。でも、またチャンスがあれば挑戦したい。今回の経験はこれからスロープスタイルで海外に出て行きたいと考えている若いライダー達に受け継いでもらえる事が出来ればと思います。スロープスタイラーを目指したいやつは僕の所に来ておくれ。

そのためにもまずは日本にも環境を作って行かないと行けませんね。今回の経験を僕の管理するJOYRIDE MTB PARKにフィードバックし、より沢山の人にジャンプの楽しさを味わってもらえたらと思いますよ。地道な活動ではありますが、スロープスタイルに限定せず山のトレイルライドも含めた広い意味でのフリーライドを僕はプロフリーライダーとして日本に広めて行けたらと思います。

 長々と読んでいただきありがとうございました。皆さんのFB上でのいいね!やコメントは本当に僕の力になりました。少しでも気に掛けてくれた方や応援していただいた皆様には本当に感謝です。今後とも高橋ダイキとJOYRIDE MTB PARKを宜しくお願い致します。

そして最後にこの機会を与えて下さったTEVAと関係者の皆様にお礼を言いたいと思います。ありがとうございました!!

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コメント

My friend told me "Ride to work, Work to ride". ね!?

投稿: サイトーケンMy | 2013/04/02 13:46

最高なイベントですね!ライダーとしてのダイキさんの表情が見られて、僕らも良かったです。
そして日本にガンガン、フィードバックくださいね。
Joyrideツアーでクイーンズタウン編もアリ!?

投稿: カネガエ | 2013/04/02 23:12

素晴らしいですね!
日本のスロープスタイル=daikiであり、その姿勢と良い、感動します。
これからも、広義でのフリーライドの普及、頑張ってください。
遠くからですが応援してます。併せて、ジャンルは違えど、自分の活動の励みにもさせていただきます。

投稿: ko-ji | 2013/04/05 11:16

カネガエさん
ありがとうございます!少しずつですがフィールドにフィードバックして行きますよ!
クイーンズタウンも良かったですが、やっぱウィスラーですね〜♩

投稿: ダイキ | 2013/04/06 23:02

ko-ji さん
コメントありがとうございます!
場所は遠くではありますが、日本のMTBシーンを盛り上げたいと言う思いとMTBを愛する気持ちは同じですね。
お互いに頑張りましょう♩

投稿: ダイキ | 2013/04/06 23:22

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