2018 Redbull JOYRIDE
さてさて今回も盛り上がりました。当初はセメナックの出場しないウィスラーのスロープスタイルなんて!って言う感じでしたが、今年はセメナックの実力を超えてしまったかのように思える2人のライダーの一騎打ちという事で、ぶっちゃけ今年も見ごたえありました。
まずは今年のダイヤモンドイベントであるクランクワークスシリーズのインスブルックとレジェで2勝を挙げているニコライ・ロガーキンが優勝候補に挙げられ、今年ロトルアで1勝を挙げているブレット・リーダーが後を追う形で2人のガチンコ勝負と言った感じ。ここでロガーキンが優勝すればクランクワークス(ダイヤモンドシリーズ)での3勝という事で前人未到の栄光を手にする事になります。
ロガーキンは持ち前の勢いのあるライディングで大技をガンガンくり出し勝利を挙げて来たのに対し、リーダーはセメナックの得意としていたトリックを全てコピーし、それにプラスしてリーダーの独自トリックで確実に得点を重ねて来たライダー。どちらが勝ってもおかしくない一騎打ちとなったのでした。
観戦していた感想ですが、正直な所僕はリーダーが勝ったと思いました。ロガーキンは誰もやっていないローガーキン独自の大技である1080が軸となって、コンボトリックを織り交ぜたルーティーンでしたが、リーダーも負けじとリーダー独自の大技であるハーフキャブドロップ、コーク720バースピン、フラットドロップでのバックフリップテールウィップを行い、大技の数はむしろリーダーの方が多かったのではないかと思いました。
それに加えてリーダーはオポトリックが2つ(ボナーログでのフリップテールウィップとウェールテールのステップアップでのコーク720)もあったのに加点されていないのではないかと思えてしまったのです。
オリンピックのハーフパイプでは最終滑走者は盛り上がりを考慮されて加点されやすく有利になると聞いたことがありますが、ロガーキンは最終走者だったのでそのパターンに当てはまったのかもしれません。ロガーキンは盛り上げるのが上手いので勢いを見せつけてのポイントだったのかもしれませんね。それも上手さなのかも。
加点に関してはロガーキンの2本目はウェールテールのステップアップとステップダウンでそれぞれノーハンドを加えて来たので加点されたのは理解できます。でも逆転するほどの加点なのかと思うと少し疑問が残りました。
今回個人的に印象的だったのは去年のラインキング1位のエミル・ジョハンソンが今シーズン初出場した事です。彼は甲状腺の病気と第6腰椎の障害(通常ヒトの腰椎は5個ですがそれに当てはまらないタイプのヒトもいて、彼はそのタイプの様です)により今シーズンはバイクに乗っていませんでした。
病気の影響でほとんどロクな練習もしていないはずなのに、トリプルコンボを交えたあのランには無茶苦茶シビれたし復活が感動的でした。今シーズン乗れなくてよほど辛かったみたいですね。ジョハンソンはスロープスタイルに関してはセメナック以上の逸材でTREK期待の星。来シーズンは完全復活を期待したいですね。
その他はトーマス・レモインとトミーGの走りはオシャレ過ぎてシビれました。3位に入ったエリック・フェドコもイケイケのランで良かったですね。トリプルコンボの連続や360インディーエアーとかヤバかったです。
セメナックがスロープスタイルシーンから完全にいなくなった今シーズンは、少し寂しさもありましたが、続々とニュースター達が出て来ているので今後もスロープスタイルは盛り上がる事でしょう。
個人的にはビッグバイクに乗るライダーが減っているのが気がかりで、ブランドン・セメナックやキャム・ジンクみたいにJOYRIDEとRAMPAGEの両方優勝してしまう様なライダーがいなくなってしまう事が非常に残念な気がします。
今大会は1440やキャッシュロールバースピン等の彼独自の大技はあえて出さずに確実に勝ちに行った印象のロガーキン。
ロガーキンに負けじと、ハーフキャブドロップやフラットドロップでのバックフリップドロップなどオリジナリティーのあるスタイリッシュな大技で必死に対抗したリーダー。
| 固定リンク
コメント