Redbull JOYRIDE スロープスタイルレポート
今年も終了しました、ウィスラークランクワークスのスロープスタイル。今年で何年連続で観ているんだろう。もう数えるのめんどくさいのでやめました笑
とりあえず第1回目から現場で観てます。
スロープスタイルシーンと言えば、数年前まではBrandon Semenukを筆頭にカナダ勢の活躍がめざましかったですが、去年くらいからカナディアンライダーの勢力は衰え、代わりにヨーロピアンライダー達の勢いがどんどん増しているここ数年のMTBスロープスタイルシーン。さて今年の結果はどうなったのでしょうか!?
と言ってもライブウェブキャストでも放送されていたので既に知られていますが、Emil Johanssonが勝ちましたね。オポ(不得意な回転方向)系とトリプルコンボ(3つの技の組み合わせ)を織り交ぜて、流れもよく猫の様なランディングとクリーンなランで見事なライディングでした。アンターンダウンを織り交ぜるスタイルと、いとも簡単に高難易度のトリックをサラッとこなすムーブはBrandon Semenuckを彷彿とさせます。
優勝候補のNicholi Rogatkinはツイスター(軸ズレ1080°)、キャッシュロール(横軸と縦軸を合わせた回転技)などの相変わらずの大技にトリプルテールウィップや360ダブルテールウィップなどのトリプルコンボトリックで高順位を狙いましたが2本目でクラッシュ。惜しくも4位とポディウムを逃しました。
前日のベストトリックで優勝を勝ち取ったツイスターXアップ(ツイスターと腕とハンドルを180°以上回す技)は出せず、彼にとって会心のランではなかったと思います。でも僕的なジャッジではトリプルコンボを織り交ぜていたNicholi Rogatkinが3位ですかね。
3位になったDawid Godziekは数週間前のXGAMES BMX DIRTでブロンズメダルに輝いた実績のあるBMX界のヒーロー。ちなみに彼の兄であるSzymon GodziekもRedbullアスリートでMTBスロープスタイラーです。
彼は今年からFMBワールドツアーに参戦してきていきなり大活躍しています。当然と言えば当然ですが世界のトップBMXライダーのトリックスキルはハンパではないですね。彼は本番直前に僕らの目の前でクラッシュをして万全ではなかった様で、2位が決定していた2本目では完全に流していました。2位と言う結果の自分のランに満足したのでしょう。Nicholi Rogatkinと同様の大技であるツイスターとキャッシュロールを織り交ぜたルーティーンは流石でした。ただ彼も本当はツイスタータックノーハンダーと言うツイスター(1080°)にノーハンドの組み合わせのトリックが持ち技だったのでそれが出せていなかったのは残念でした。
そして自国のヒーローであるBrett Rheederは1本目のスイッチダブルテールウィップ(テールウィップをキャッチした次の瞬間に蹴り返して反対に回す技)で痛恨のランディングミスにより次のセクションをキャンセルしてしまいまさかの10位で2本目を迎えました。
しかし2本目のランはほぼ完璧で、フィニッシュセクションのウェールテールでバックフリップオポテールウィップに変更し、クラッシュしかけたスイッチダブルテールウィップもダブルテールウィップに変更してきてさらなる高得点を狙いましたが、1位のEmil Johanssonの得点には及ばず、惜しくも2位の結果となってしまいました。ちなみに僕のジャッジでは Brett Rheeder は他の誰もが出来ないフラットドロップからのフロントフリップやバックフリップテールウィップ、オポコーク720(得意ではない方向での縦軸と横軸2回転の高難易度技)とオポフリップウィップ(バックフリップしながら得意でない方向でのテールウィップ)などのオリジナリティーの高い技を綺麗に決めたのにも関わらず得点が低かったなあと言うのが正直な感想です。優勝しても全くおかしくはなかったと思います。
と言った感じで今年もウィスラーのスロープスタイルは幕を下ろしました。Brandon Semenukの様なカリスマ性のある絶対的な王者不在のスロープスタイルシーンではありますが、これからもシーンを追い掛けてきたいと思います。
Brandon Semenukが出場していた一昨年の彼のフィニッシュランの歓声は地響きがなるほどで、去年も今年も盛り上がりに欠けていた様に一瞬思いましたが、今年は見た感じ観客数自体は多かった様に感じます(25000人以上)。世界ではこの盛り上がりはまだまだ続きそうですね。日本ではマイナーな競技ですがこれからも追い続けていきたいと思います。
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