2021 Redbull Rampage
先日今年のREDBULLランページが終わりましたね。
去年はコロナの影響で開催されませんでしたが今年は2年ぶりの開催となりました。
イベント前から毎日ソワソワして本番を待ち侘びていたので当然夜中の2時からREDBULL TVの前に張り付いていましたよ。
今年は本番前のトレーニングで有力選手達が次々にクラッシュし戦線離脱しました。
過去に優勝経験のあるAndreu Lacondguy、X GAMEフィルムコンテストでシルバーメダルを獲得したBrage Vestavik、過去にポディウムにも立っているRockymountainのCarson Storch。
彼らはプラクティス中にビッグドロップのランディングで失敗し骨折をしてしまい出場する事ができませんでした。
今年の見所はやはりBrandon Semenukでしょう。出場選手の中で唯一シングルクラウンのフォークを導入し、誰もをワクワクさせました。
結果的にはみんなが予想したバースピン、テールウィップを織り交ぜた見事過ぎるランで2021年のランページを制すことになり4度目の優勝を手にしました。
個人的にはバックフリップテールウィップがヤバかったと思います。あのデカさのジャンプでビッグバイクでのバックフリップテールウィップ。
数年前のウィスラーのRedbull JOYRIDEで勝てなかった時のラストキャビンからステップダウンでのバックフリップテールウィップ失敗による骨折が頭をよぎりましたが、キャッチの時にペダルを少し踏み外しましたがきっちりメイクしていましたね。
1本目のランでフラットスピンナックナックでオーバーローテーションしましたが、あそこはトランスファー気味であのデカさだから完全にブラインドなので、トランスファーしながらのフリップ系のコンボトリックは超絶難しいのでしょう。
2本目はフラットスピンだけにしておいて正解でしたね。何気に巨大シャークフィンからのインバートトボガンのスタイルが個人的にツボりました。
そしてkurt Sorgeの2位は泣きそうなくらい嬉しかった。
僕が以前ニュージーランドでスロープスタイルに出場した時に仲良くしてもらって、その後ウィスラーでも再開したTEVAグローバルチームの元チームメイト。
過去に3度もランページで優勝しているだけあって、柔らかいこなしの安定した見事なランでした。ストレッチスーパーマン、これでもかというくらいの連続バックフリップとバックフリップナックナック、スーサイドノーハンダー、ソーギーのスタイルが完全に出ていましたね。
個人的には4位のCam Zinkが熱かった。彼は本番前の練習でバックフリップドロップで転倒し肺を損傷。
それでも強行出場してZinkらしいビッグドロップでの360とフラットドロップバックフリップにはシビれました。彼のランページの歴史を見た様でしたね。
ベストトリックに選ばれたTom Van Steenbergenのビッグドロップでのフロントフリップも強烈にカッコ良かった。
その直後のバックフリップでのクラッシュで病院に搬送された彼は、骨盤の両寛骨臼、大腿骨頭、腰椎骨折と交通事故でもあまり聞いた事がない様な骨折をして緊急手術となってしまいました。
彼はウィスラーのAIR DOMEとバンクーバーのAIR REC CENTERというインドアパークで一緒になった事が何度もあるのですが、その時からキレが半端ではなかった。
また再びライド出来る様になって欲しいと切に願っています。
ちなみにジャッジに関しては賛否両論あると思います。
現地のジャッジエリアからしか見えない細かい要素があって、一般視聴者が見ているPCのスクリーンからは見えない隠れた要因がたくさんあったりするんですね。
スタイリッシュなトリックを決めたJaxxson RidleやTommy Gの点数が低くて首を傾げた人も多かったと思いますが、そこは何も言えません。
ジャッジ陣は過去にランページに出場経験のあるスペシャリスト達。ライダーの気持ちにも観客の気持ちにもなれるし、ジャッジの立場として正当な評価をした事。
35% - line difficulty
35% - air and amplitude
20% - fluidity
10% - Tricks and style
これがランページの採点基準。トリックの配点は意外にも低いのです。
ラインのエグさ、エアーのデカさ、この辺の要素が大きいんですね〜。
なのでトリックが決まっていて見た目でカッコ良かったライダーは思いの外点数が低かったりするのです。
個人的にもJaxson Ridleのワンハンドスーパーマンシートグラブやワンハンドノーフットキャンキャンなどのフリースタイルモトクロススタイルはかなりスタイルあって良かったし、Tommy Gのレギュラーからオポの連続360ドロップや360ワンフットユーロテーブルなどのスロープスタイルさながらのランもイケていたので得点を見た直後はえっ!?っと思ってしまいましたね。
Redbullランページで得点を出すためには、エグいラインとデカいエアー、流れ、そして最後に多彩なトリックと言う全ての要素が要求されるという事ですね。これこそがビッグマウンテンフリーライドコンテストであり、世界中のプロフリーライダー達の目標なんだと思います。
ちなみに今回Semenukがシングルクラウンでの出場でしたが、来年はスロープスタイル系のTommy GやZymon Gozziekなども確実にシングルクラウンフォークを導入してくるでしょう。
そこに怪我で出場できなかったBrett Rheederも出場したらと考えると、すでに今から楽しみでなりません。
とまあまだまだ書きたい事は沢山ありますが書ききれないのでこの辺で。